レトロなSL客車と長島ダムの湖上駅…宿泊して遊び切る2021年9月の大井川鐵道観光
前回は金谷から千頭までの本線を見てきましたが、終点の千頭からは さらに井川線という路線が続いておりまして ですね…

●千頭駅の井川線ホーム●
そんなわけで大井川鐵道のレポートの後編となる今回は、まず この井川線の観光からスタートしようかと思います。
南アルプスあぷとライン

●断面の小さい車内●
前述の通り「井川線」が正式な路線名ですが、ぶっちゃけ現在の需要としては観光が主なのでアトラクション的な親しみを込めて「南アルプスあぷとライン」という名称が付いてるんだと思われます。
各車両に業務用設備が設置してあり、車掌さんが各駅停車ごとに違う車両に乗り換えて放送するようです。そういうところもアトラクション的ですね。

●やはりダムは迫力がある●
元々大井川地域のダム建設の資材を運ぶために作られたトロッコ路線らしく、それで車両の断面が小さいんですね。
車窓からは本線以上に山間と湖の景観に迫力がある風景が楽しめます。

●途中駅で上下線待ち合わせ●
とはいえ沿線には駅が何気に14個も あり、地元住民の足としての役割も当然あるようです。
特に道路が整備される前は、この井川線の存在は かなり重要だったと思われます。

●川猫山駅●
かわねこやま。
本当は「川根・小山」なんですが、「川・猫・山」って したかったんでしょうね。
だって、そのほうが かわいいですもんね。

●アプト式機関車●
代名詞にもなっている「アプト」式。
アプトいちしろ駅~長島ダム駅間の個所が急坂なので、この機関車を我々の乗ってきたトロッコ電車と連結させて走らせると いうわけですね。上りも下りも両方です。下りも下りで急なのはヤバイですし…
線路の真ん中がギザギザになっているのが、まさに そういう機構な わけですな。

●ドッキング完了●
かつては群馬の横川と長野の軽井沢を結ぶ碓氷峠でも この方式で在来線を やりくりしていた ものの、さすがに手間が掛かるだろって事で新幹線が開通してからは廃止に なっていますが…
この区間に関しては従来線のほうがダムで沈んじゃうからって事で逆に採用となって、現在 国内唯一のアプト式の場所だと いうことで…
実に興味深い特徴だと思いますね。
奥大井湖上駅

●乗り降りする観光客も多い●
そして井川線に おけるハイライト的存在なのが、おそらく この駅。
完全なる観光の趣の目的で設置されたような駅だと思われますが…

●湖のど真ん中の駅●
その名の通り奥大井の湖の上にあるような駅で、電車からホームに降り立つと このような景観が広がっております。
接岨湖(せっそこ)と いう名前で、ダムの関係で できた湖だそうで…
そう考えると この井川線は、ダムと鉄道の景観が見事にミックスされた観光資源と言えるかも しれないですね。

●電車と並行して橋を歩ける●
そんなわけで周りには湖しかない この駅、実用的に こんなとこ降りて どうすんだって話では ありますが、橋を渡って丘を登ってグルっと周っていくと…

●この景色が見たかった●
定番の超有名な所ですね。
真ん中にポツンとある島が さっきの駅の場所で、湖の色も青い事から実に画的に映えまくる場所だと思います。
あいにく この日は天気が悪かったんですが、代わりに雲のモヤモヤが多少は神秘的に見えるオプションではないかと…一応ポジティブに考えてみることに いたします。
SLかわね路号に乗車
さて、また本線のほうに戻りまして…
●C11形190号車●
せっかくですのでSL、見るだけでなく乗ってもみましょう。
トーマスは未来ある子供たちに譲ったほうが いいでしょう。未来も毛髪も無いハゲたオッサンが一人で乗っても しょうがないので…
でも通好みなのは、やはり こちらの硬派な正統SLのほうでは ないでしょうかね。

●明らかな古さを感じる車両●
機関車も さることながら、この古い客車も また見どころ。
連結されている数両のうち、それぞれとも内装の意匠が異なるんですよね。
個人的には上記写真の この車内が好みでした。電灯が たまらなすぎます。

●旅情を誘う座席●
内壁も木目調で…っていうか“調”じゃなくて本当に木ですよね。
昭和初期に製造された国鉄の客車だそうです。

●便所使用知らせ灯●
後付けっぽいですが、トイレが使用中だと ちゃんとランプが点くのは意外と先進的?です。
「便所」と称している辺りは、また違う時期の昭和時代を感じさせますね。

●水周りは どうしても…●
そして、この正直 洗面する気が失せる洗面所も またレトロです。
しかしながら、これ現役っぽいですね。実はトイレも使えるので、手洗いとセットって事で…
結局 沿線には無人駅も多いから、車内の水周りも使えるように したほうが都合が いいのかも しれないですね。
宿泊情報

●大井川周遊きっぷ●
トーマスやSLが楽しめる本線と長島ダムの湖上の景観が楽しめる井川線、
そりゃもちろん来たからには是非とも両方とも楽しみたい所では あるんですが…
…いかんせん地域柄の あるあるで そもそも電車本数が少なく井川線に至っては終電が17時台と いうわけで、この性格の異なる2路線を1日で楽しみ切るのは無理が ありましてですね…
それを見越してか、フリーパスも2日間有効で売っていたりするんですね。是非とも宿泊して楽しんでってくれ!と…
いやはや、ニクいダイヤ設定ですねぇ…
そんなわけで一泊せざるを得なかったので、宿泊したホテル情報を紹介したいと思います。

●ホテルセレクトイン島田駅前●
大井川鐵道とJR東海道本線の接続駅である金谷駅。
そこから東海道本線で一駅だけ行った所にある島田駅の近くのホテルです。
大井川鐵道沿線には それこそ川根温泉にもホテルは あるんですけども僕の許容を超える価格設定だったので、ちょっと離れるけど こちらに したわけで ございます。ハイ。

●宿泊した部屋●
1泊3800円。
価格なりといった感じだと思いますが、充分っちゃ充分なんですよね。
2021年9月当時は もはや毎度おなじみの緊急事態が絶賛宣言中だったような記憶も ありますが、そういうので多少の価格変動の考慮は あるかもしれません。
ちなみに風呂とか夕飯とかは前編で紹介した川根温泉の施設で済ませてきたので、ここでは本当に寝るだけの素泊まりで ありました。
ご当地土産

●お茶羊羹●
最後に お土産。
とりあえず大きさも価格も程々で定番っぽいから買ってみたのが このお茶羊羹。筒状に なっていて気軽に食べやすいと思います。
大井川沿線産である川根茶の粉末を練り込んであるそうですね。

●SL動輪焼き●
大井川鐵道の目玉商品の一つですね。SLの車内でしか買えないっつーことで、ミーハー心を抑えきれずに購入に至ってしまいました。
動輪焼き…ちょっと口の動きを誤魔化せば「どら焼き」と呼べなくもなく、実際 基本的には どら焼きですね。
ただし、あんこが冗談のようにモリモリです。
あんこが入っているっていうか、もはや外生地のほうが添え付けのような存在になっています。うっかり実物の写真を撮り忘れたのが不覚でした…
あまりのインパクトで結構 有名な名物っぽいので、是非とも ご自身で買って見て ご賞味してみては と思います。

●と いうわけで●
なんていうか…
鉄道観光資源の一つの形として仕上がってますよね…
車両、景観、温泉とコンテンツ力が堅いです。老若男女、ファミリーからマニアまで無難に楽しめるかと…
そんなわけで たまにはブラブラと、何故かタヌキの置物もちょくちょく見かける大井川鐵道を まさに たまブラ散歩と洒落込むのも一興では ないかと思いますね。
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