長野電鉄の日帰り乗り撮り小旅行2020年秋(後編)

2020年の10月に行った、長野電鉄を乗ったり撮ったり、昔 長野市に住んでた記憶と照らし合わせて ほっつき歩いたりする、そんな日帰り小旅行のレポートで ございますが…


前回、長野駅から乗って小布施(おぶせ)の駅まで やってまいりまして…今回は そこからの続きで ございます。
長野鉄道の娘・朝陽さくら氏
●長野鉄道の娘・朝陽さくら氏●

ここまで長野から ちょこちょこ下り湯田中方面へと向かって行きましたが、今度は12時31分発の上り電車に乗って一旦2駅前の須坂へと戻ります。

ダイヤと滞在時間の兼ね合いで このほうが都合が よかったので あえて3歩進んで2歩下がるみたいな事を した次第ですが、ローカル線の観光では結構あるあるじゃ ないでしょうかね。



須坂駅

須坂駅構内
●須坂駅構内●

“鉄”的には須坂駅と いえば やはり車両基地がある、という点に尽きるかと…


所々に車両が置かれておりますね。
3500系車両
●3500系車両●

んでもって、個人的に ここでの最大の目的と していたのが この編成。

先にも見ました東京の地下鉄・日比谷線の旧型3000系(移籍後は3500系)車両ですね。


長野電鉄に移籍した際に赤い帯を纏って使われていたんですが、端っこの2両だけ その帯がなく まっさらステンレス地の状態でして…
表記以外は ほぼ日比谷線
●表記以外は ほぼ日比谷線●

この「O2編成」と呼ばれる個体のみ引退と いうことで、ファンサービス的な感じで この個体だけ最後に赤帯を外したそうです。

営団地下鉄時代の ほぼ遜色ない姿を拝められると いうことで…2020年10月当時、引退後も須坂に留置されていると知ったので眺めに行った次第で ございます。


先の小布施の2000系と違って あくまで構外から眺められるだけですが、それでも同じ位 鉄分摂取の腹は膨れたと…個人的には感じておりますよ、ハイ。

特急「ゆけむり」の展望席に乗車

特急「ゆけむり」号
●特急「ゆけむり」号●

お次は13時19分発のA特急に乗って、末端終点の湯田中まで一気に向かっちゃいます。


車両は現在の長野電鉄のフラッグシップとも いえる1000系、愛称「ゆけむり」号ですね。いよいよコレに乗ってしまいますよ。


ちなみに長野電鉄の特急種別にはAとBがあって、Aのほうが停車駅が少ない設定です。

特急車両も もう一種類ありますが、AとBと車両の種類は関係なく、どちらの車両にもA・B両方設定が あるようです。

先頭の展望座席
●先頭の展望座席●

ご存知の方も多いと思いますが この車両、元々は小田急線のロマンスカー10000形「HiSE」と いう車両でして、なんといっても展望席が売りです。

たまたまタイミングが よかったのか、いきなり最高な席に陣取る事ができまして…


なお この2020年当時は特急利用に必要な特急券を別途購入するだけで座席は完全自由に早い者勝ちで座れたんですが、2021年7月からは この展望席は指定料金制に なったみたいですね。
今度は右側席も座ってみる
●今度は右側席も座ってみる●

あまり小田急とは所縁がないもので、本家ロマンスカーには乗った事が なかったんですが…


う~ん、いいなぁ…たまりませんな、展望席…


こうして特急で ありながらも、何だか のどかな雰囲気で終点の湯田中へ向かっていくので ありました。

湯田中駅

湯田中駅ホーム
●湯田中駅ホーム●

13時46分に湯田中駅に到着。

長野に住んでた頃も おそらく家族で車で来た事は あったと思いますが、電車で ここまで来たのは初めてです。


対面ホームの趣深い感じの建築物は旧駅舎で、文化財にも なっているみたいですね。
国際的な案内
●国際的な案内●

湯田中の最大の観光スポットは、やはり なんといっても温泉。

中でも地獄谷温泉が、温泉に浸かる野生のニホンザルの生態を間近で見られると いうことで、全世界の のび太さんが鼻の下をのびに のばして おサルさんの入浴シーンを覗きに こぞって やってくる程の国際的 観光地だと いうことは よく知られております。


2020年以前なら、多分 外国人の観光客で もっと もっと混み合って いたんだと思われますね。

湯田中駅のベンチ
●湯田中駅のベンチ●

まさか、「カール」が東日本では売られなくなるとは、このベンチを設置した時は思ってなかったでしょうね…

足湯に浸かるオッサン(筆者)
●足湯に浸かるオッサン(筆者)●

汚いオッサンの足の お見苦しい画で恐縮ですが、湯田中駅には温泉が併設されており、近くには足湯もあります。


時間的な問題も あるので さすがに本入浴は しなかったんですが、せっかくなので足湯に浸かって…


足を回復させて、再び不毛な鉄道趣味のために頑張って歩くと しましょう!

夜間瀬駅 周辺

湯田中駅を後に
●湯田中駅を後に●

今度は湯田中駅から2つ手前の夜間瀬(よませ)駅の近くまで歩いて向かいます。


ちなみに湯田中~信濃竹原(しなのたけはら)の間は そんなに距離も ないので、健常者で あれば充分 普通に歩ける距離と思われます。とりあえず、湯田中駅から夜間瀬駅までは大体30~40分程 見ておけば辿り着けるかと…
リンゴの映える季節
●リンゴの映える季節●

長野は青森に負けず劣らずのリンゴの産地。

この辺りはリンゴ畑が そこらじゅうに広がっているエリアでして…しかも この時は、ちょうど時期的にも真っ赤なリンゴが木に生った一番 映える季節と いうことで ですね…


このリンゴと、列車を絡めた風景を撮ろうと いうのが今度のポイントで ございます。


と、いうわけで…

リンゴと山と長野電鉄
●リンゴと山と長野電鉄●

上条~夜間瀬 間にある小さ目の踏み切り脇から撮影してみました。この時 大体14時54分頃だったですかね…


リンゴの木だけでは飽き足らず、山々とかも盛り込もうと いうことで…長野ならではの光景です。


しかし、空の光加減とかを考えると午前中のほうが いいのかも しれませんね。
電車も まさにリンゴ色
●電車も まさにリンゴ色●

同じ場所の反対方面から、今度は特急車両。時間は この時 大体15時くらい。


本当は手前の木に もっとリンゴが生っていれば より映えていたかも ですけどね…かろうじて1個だけあったので、一応それを入れて撮りましたが…


なかなか…まぁ、こんなもん でしょうかねぇ…

夜間瀬橋

夜間瀬川のあたり
●夜間瀬川のあたり●

そろそろ日も暮れてくる頃でして…今日の風景写真としては最後の撮影地となる、夜間瀬橋という所へ向かうべく信濃竹原駅 方面へと歩きます。


さっきの夜間瀬駅付近から今度の撮影ポイントへは、大体 徒歩20~30分くらい見ておけば いいかと…

編成がキレイに収まる
●編成がキレイに収まる●

15時40分頃。さっき撮った湯田中行きの特急が折り返してきたんですね。


橋の下は影ってますが、車両自体は ちょうどよく日が当たってますね。
山のバックが また素敵
●山のバックが また素敵●

信濃竹原駅で今の特急と待ち合わせをして すぐ やってきた下り普通電車。


ここは定番の人気撮影スポットとして知られているようで、僕の他にも同業者が何人か いましたね。



…さて、時間的には もう少し撮り続けてても大丈夫な予定なんですが もう日も暮れてきて光加減が難しそうなのと、これ以上 時間を延ばすと電車の待ちが長くて時間を持て余してしまうので、そろそろ帰路に つくことに します。

信濃竹原駅

信濃竹原駅の駅舎
●信濃竹原駅の駅舎●

夜間瀬橋の撮影スポットからは徒歩数分で辿り着けます。

ここも、残されている古い駅舎が また なんとも言えない味わいです。


この駅から、16時14分発の信州中野行きに乗っていきます。多分さっき撮った3500系が湯田中から折り返してくるんだと思いますが。
進行方向に注意
●進行方向に注意●

この駅、知らないと焦る注意事項が…


進行方向が逆です。


基本 左側通行で長野方面は こっちだろうと いう感覚でホームで待っていると反対側に長野行きの電車が到着すると いう…

しかも踏切が あの位置だと電車が来てからじゃ鳴っちゃって渡れなくなっちゃって、電車の本数も少ないから場合に よっては1時間以上また待たなきゃいけなく なっちゃてヤバくね!?と焦る事 受けあいの構造で ございます。


…ただ実際は上下線の待ち合わせの時間の余裕があるからか電車が到着しても しばらくは踏切は開いているようでしたので、待つホームを間違えても渡る事は可能みたいですね。

よく見ればホームに表示は あるので僕は「もしや…」と思って気付いた一方で、同じ時間にいた同業者らしき人は この罠に嵌まってしまったようでしたが踏切を無事 渡れて事なきを得ていた ようですので…


もしかしたら多分、踏切が閉まってても運転手さんの暗黙の裁量で通してくれる、かも…?しれないですけどね…

旧日比谷線車両の車内観察

3500系の並び
●3500系の並び●

16時21分、信州中野駅に到着。この駅から改めて長野行きの電車に乗り換えて行くわけなんですが…


まだ時間も あるし、せっかく人が ほとんど いない状態で3500系が停まっているので、この機会に まじまじと車内を観察させて いただきます。

しばらく内容もマニア丸出しに なりますが読者の皆様、何卒ご容赦 願います。ハイ。
3500系の車内
●3500系の車内●

日比谷線時代にも そんなに回数を乗ったことは ないんですが、ほぼ変わってないと思われますね。


冷房に関しては長野に来てから取り付けたとか…そもそも冷房をコストかけて付けるのもアレだと いう理由も あって日比谷線からは引退したみたいですし…
吊り革に東急百貨店
●吊り革に東急百貨店●

よく見たら「ながの東急百貨店」なので、これも長野に来てから印字されたんですね。


日比谷線絡みで東急東横線も走っていたりした車両なので違和感を感じなかったんですが、よくよく考えてみれば東急の車両じゃないですからね…
窓一杯のステッカー
●窓一杯のステッカー●

そして小窓のドアも、営団地下鉄フェチには たまらないポイントの一つで ございます。


このステッカーは長野電鉄のオリジナルですね。一度貼ったら色褪せても貼り直さない、年季の入ったステッカーです。


…ところで、なんとなく似てませんかね…?(下の人と)

旧3000系から旧03系へ
●旧3000系から旧03系へ●

左の後輩車両が16時40分発の長野行き。これに乗って長野駅まで向かいます。


この電車に乗れば、長野への到着は17時27分頃の予定ですね。
旧03系の車内
●旧03系の車内●

1960年代生まれの初代日比谷線車両は明らかに昭和感が あって古いと感じるんですが、1980年代生まれの2代目日比谷線車両は未だに あまり古さを感じないんですよね…


昔の世の中が急激だったのか、1990年以降の世の中が さすがに進化の頭打ちで さほど差を感じなくなったのか…

市役所前駅

元々地下鉄ですから
●元々地下鉄ですから●

先程もチラっと言いましたが まだ時間に余裕は あるので、長野駅の1つ手前の市役所前駅で また地下鉄っぽい光景を撮影したくなりました。


運が良ければ もうワンチャン、3500系が来てTHE・昭和風な地下鉄の画が撮れるかなぁ…?と期待もしていたんですが…さすがに それは叶いませんでしたね…
角が ちょちょ切れた広告
●角が ちょちょ切れた広告●

この「マツザワ薬局」自体は調べてみたら180年以上続く老舗で現在も健在のようですが、「ダイエー前」と いうのが どうも僕の住んでいた80年代頃から時が止まっているようで、こりゃあ角も涙も ちょちょ切れます…


と いうわけでダイエーはもう ないんですけど、多分もう こんな変な形の広告板を改めて新規に作り直したくは ないんでしょうね…


て いうか何で この形なんだ、わざわざ…

特急「スノーモンキー」を観察

真ん中に特急が来た
●真ん中に特急が来た●

そんな こんなで、長野駅に戻ってまいりましたが…


今回 乗車はしなかった もう一つの特急車両2100系「スノーモンキー」号が ちょうど来たので、ちょっと観察していきます。
ほぼ成田エクスプレス
●ほぼ成田エクスプレス●

元々はJRの成田エクスプレス用に使われていた253系車両。


地獄谷温泉が国際的観光地でも あるので、そういう意味では国際空港アクセス車両だった この車両は それに適した設備を持っているとも考えられるかと…
そういえば似てる?
●そういえば似てる?●

愛称の「スノーモンキー」は当然、地獄谷温泉の入浴サルから来ているもの みたいです。


赤い車体はリンゴをイメージさせるものでも ありますが、確かに顔がサルっぽいかもしれないですね、この車両。
個室もある
●個室もある●

1室4人まで乗車可能で、別途1200円の個室料金で利用できるようです。


JR時代では かなり高額だった元グリーン個室席らしく、基本的にJR時代と変わらない個室に1200円で乗れるなら破格!と評価するファンも多いようですよ。

ご当地グルメを買って帰路へ

東急百貨店入り口
●東急百貨店入り口●

最後に新幹線に乗る前に、ご当地グルメのお土産を買って行こうと思います。


と いうわけで「ながの東急百貨店」のデパ地下へ…長野電鉄の長野駅から地下道で すぐにアクセスできますね。
竹風堂の名物・栗おこわ
●竹風堂の名物・栗おこわ●

本店が小布施にある栗菓子のお店「竹風堂」の栗おこわ。昔から お気に入りです。


お土産のつもりで買いましたが、よくよく考えてみたら この日は観光に集中するために朝も昼も何も食べていなかったので…
駅弁代わり
●駅弁代わり●

帰りの新幹線車内で もう食いながら帰る事に しました。

まだ暖かくて美味いですね…むしろ このタイミングで正解かも…



…と こんな感じで、思い立って行ってみた長野電鉄 散策ですが…


秋で最高に天気も気候も いい日だった事もあり、非常によかったです。大満足ですね…大変 有意義な ほっつき歩きが できたと思います。


僕は この ご時世に なったからこそ、むしろ あえて世論に抗って行動で示すように行っている部分が ありまして ですね…

考え方は人それぞれで、正解はコレだ!とハッキリ言えない難しい問題ですが…


長野電鉄だって人に利用して貰わないと困るはず ですのでね…

どうか極端な事をせずに、是非とも謙虚な気持ちで もって訪れてやって下さいと…気持ちが いい方向に切り替われば いいんじゃないかなぁ、と思うばかりで ございます。
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Comment 2

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aozoratenki

みんな新しく見えます

茶色のクモハ42系が最後まで走っていた線路傍に住む
ボクからすればみんな新しく見えます( *´艸`)

「湯けむり号」どこか古くて新しいようです 
展望台ヵ所は最初の新幹線みたいです

リンゴ風景いいなぁ~むかし青森のブロガーさんが
フツウの民家其々にリンゴが生っていると書いていたのを思い出しました

足湯ができるなんてスンバらしいです 
ところでナンで足を撮ったんですか?せっかくキレイなのに(;'∀')

  • 2021/09/06 (Mon) 08:56
  • REPLY

Mr.よっしい

Re: みんな新しく見えます

aozoratenkiさんへ

今の長野電鉄の車両はレトロというよりは昭和の高度成長期の匂いが漂う車両達ですよね、世代的に。スノーモンキーや03系あたりから今度は平成色に移り変わった感じでしょうかね。

秋はリンゴもそうなんですが、栗おこわでも ちょうど新栗を使ってるとか書いてありました。多分、長野電鉄沿線としては色々豊作な時期なんだと思われます。

足が浸かってたほうが足湯を説明する写真として説得力があると思ったんですが…
結果的に、説得力が漂いすぎて裏目でございましたね…

Mr.よっしい