【2021年1月の福井・越前大野紀行その4】積雪と雲海の越前大野城にチャレンジ

前回
前回
↑に続き、福井県は越前大野に旅行に来ているわけ ですが…


そもそもの訪れた最大の目的の一つが、この越前大野城で ございます。
越前大野城
●越前大野城●

この越前大野城、周りの雲海と相成って それはそれは まるで天空の城のごとく幻想的で美しい風景が見れると いうことで近年 人気が出ているそうです。


…ただ その雲海と相成った風景を見るためには、まず そこそこの山登りをした上で ですね…

かつ天候に左右されやすく期間も秋から冬の間の季節限定で、しかも確率的にも そうそう お目に かかれるものでも ないらしく…

さらには この年の1月は記録的な大雪で、そもそも その景観スポットまで行けるのか?と いう不確定要素も あったんですが…


…今回、僕は何を思ったか この景観を見てみようと突然チャレンジしてみたわけで ございます、ハイ。


結果から言いますと惨敗だったわけなんですが…なんていうか、関東在住の軟弱男子である僕なりにも雪の中 やりきった達成感みたいなのは ありましたので ですね…


…と いうわけで今回は、この積雪下での越前大野城の雲海に挑んだ様子をレポートしたいと思います。



越前大野での宿泊と準備


そもそも この福井県 大野市は そこまで どデカい観光地では ありませんでして…

僕の調べた限りでは大野市での宿泊の選択肢と いうと何件か点在する民宿やドミトリーか、市内唯一のビジネスホテルである この「サンレアー21」のみの ようです。


僕は無難に その唯一のビジネスホテルである「サンレアー21」に宿泊しました。


ちなみに料金は2泊3日で13300円。
ご時世的に例の「GOTO」のアレは ない時期だったので、ほぼ通常の料金かと思われます。

宿泊した部屋
●宿泊した部屋●

シングルルームなんですが、シングルにしては広いですね…折り畳み傘とかを乾かすために広げても全然 余裕です。


ここを拠点に、雪山に挑む準備を整えまして…
スノーブーツ
●スノーブーツ●

まさに こういう場面向けの靴。元々 持っています。

僕は普段から通勤は自転車、雪が積もったらチャリは乗れないので徒歩に なるんですが そういう時用のモノですね。


埼玉だと そういう日は1年に1、2回あるか ないかぐらい なんですが、いつかは必ず必要に なるので それに備えて下駄箱に待機させているわけ でして…今回は初めからコレを標準装備してきました。
上着(自宅にて撮影)
●上着(自宅にて撮影)●

おそらく中学~高校くらいの時に着ていたスキーウェア。これが まだウチに あったので コレを着て挑みます。

年数は経っていますが特に傷みは なく、今回みたいな場面では最適かと…コレを着るのは実に20年以上ぶりに なると思われますが、コイツも まさか ここに来て出番が来るとは思っても いなかったでしょうねぇ…
ウェアのポケットに あったブツ
●ウェアのポケットに あったブツ●

そのウェアの内ポケットを探ってみたら、まさかの夏目漱石さんが出てきました。


どういった理由で ここに潜んでいたのかは今となっては わかりませんが、せっかく20年以上の時を経てシャバに出てきてくれたので支払いに使わせて頂きまして…特に時効も なく、フツーに使えました。

1日目の挑戦

準備を整えたら、早速 現地に行ってみようと思うんですが…


…その前に ちょっと情報収集を…


Mr.よっしい
Mr.よっしい
先日 大雪が降ってたみたい ですけど…

犬山って、登れるんですかね?

ホテルスタッフ
ホテルスタッフ
うーーん…

私の知り合いは、「さすがに登れなかった」って言ってたけどねぇ…

なんと…地元の人でも登れないレベルなのか…!?


…まぁそういう想定も、もちろん していましたが…

…かと言って何もせず指を くわえたまま、あきらめる気も ない性分ですのでね…

ホテルから城までは約1キロ
●ホテルから城までは約1キロ●

とりあえず まずは下見がてら、日が明るいうちに現地を ちょっと見てこようと思います。

…それに しても この看板、どうしたんだ!?

展望スポットへの入り口
●展望スポットへの入り口●

その展望スポットは越前大野城の向かいに そびえる犬山と いう所に ありまして、近年 大野市としても利用者を促すべく山道を整備しているみたいです。

で、ここが「鍬掛(くわかけ)の道」と呼ばれる その山道の入り口なんですが…


…おいおい…もう入り口から すでに大雪モリモリじゃねぇかぁ…


検索すれば普段の写真が見つけられると思いますが、それと比較したら もう歴然の違いです。

これは…確かに行けるのか どうか…
先人の足跡がある
●先人の足跡がある●

…とは言え そんな中でも先人は いるもので、その足跡を なぞって とりあえず進んでみます。


いやぁ…もう…足が雪にズボズボ埋まるわぁ…

スノーブーツで どうこうできるレベルは とうに超えております…

当てのない雪道
●当てのない雪道●

…う~ん…コレは、道を間違えたかなぁ…

…いや、道も何も ないんだけど雪で…


って いうか そもそもの道を間違えたのかなぁ やっぱり…時期的に…

正規のルートポイント
●正規のルートポイント●

どうやら こちらが本来のルートですね、引き返してきて わかりましたが…


奥に見えるのは山登り用の杖。なるほど、登る際はアレを使わせて頂くのが良さそうですね…


…しかし、この時点で すでに夕方…

そろそろ暗くなってきますので、あまり深追いはせずに引き返すことに しました…


そぉかぁ…これが現実か…

やっぱり、この雪の中での このプランは無謀だったのかもなぁ…


…半ば諦めて、1日目を終えました…

2日目の挑戦

ホームセンターパルス
●ホームセンターパルス●

…しかし そうは言っても まだ日にちは ありますし、まだ行ける余地は あるんじゃないか?と思いまして…


ここは「鍬掛の道」最寄りのホームセンターで、天空の城の景観を望む人達のために駐車場を24時間 開放してくれている所でも ある いわば公認拠点スポット。


ここに ちょっとヒントを求めまして…

かんじき
●かんじき●

忍者の水ぐもと同じ理屈でしょうか、これを履けば雪道でも沈まずに歩くことが できると いうアイテムです。もしかして、これがあれば雪山を攻略できるんじゃないかと思いまして…


写真の値札を見てもらえれば わかる通り結構そこそこの値段しますが、ここまで来て何も やり遂げられずに引き返せるか!と いうことで思い切って購入いたしました。


さすが天空の城 公認のホームセンターですね。こういうアイテムが ちゃんと売っているとは…
これで いいのかな?
●これで いいのかな?●

ついでに ここでも ちょっと情報収集を…


Mr.よっしい
Mr.よっしい
コレで犬山、登れますかね…

…って いうか今この雪で登ってる人って いるもんですかね?

店員さん
店員さん
埼玉から わざわざ登りに!?すごいですね…

店員さん
店員さん
ああ、登りに来てる人は来てるよ、うん。

…まぁ、それが あれば登れるよ、うん。

ほう…


どうやら、地元でも人に よりけりで登れる人 登れない人と意見が分かれるようですね…まぁそりゃそうか…


…でも登ってる人が いるんだから、どうやら やって やれないことは なさそうですね…

雪に埋もれたローソン
●雪に埋もれたローソン●

…と いうわけで改めて天空の城への道、リベンジです!

この大雪も、今度は この装備なら怖くないぞ!



…と、思ったんですが…

それでも雪道はツラい
●それでも雪道はツラい●

かんじきを もってしても埋まる時は埋まりますね、やっぱり…


要するに それ程の雪だと いうことか…

雪山は やはり険しい
●雪山は やはり険しい●

この日 僕は まず昼間は「永平寺」と いう所に観光に行っていたので、天空の城への道に挑む頃には もう夕方近くだったもので…


やはり この日も もう時間切れ、暗くなる前に深追いせず引き返すことに しました。


しかし、今回は あくまでも“時間が無かったから”で あって…


時間さえ かければ…やれなくも ないかもな…と思いながら、2日目を終えまして…

3日目の挑戦

早朝4時過ぎ
●早朝4時過ぎ●

ついに最終日。
この日の午後には僕は埼玉への帰路に つきます。


昨晩 寝る前に一応ネットで即席では ありますが かんじきを使った雪山登山のコツとかを見たりとかも しまして…

今回が3度目の正直にしてラストチャンス。もはや雲海が見れるか どうかは置いといて とりあえず何が何でも雪山をゴールまで登ってやると決心し、いざ天空の城への道へ最後の挑戦に挑みます。
LEDヘッドライト
●LEDヘッドライト●

雲海が見れる確率は、早朝・明け方が一番高いとか…


天気は実は1日目と2日目は小雨が降っていたんですが、3日目は予報では晴れとの事。一応、条件としては悪くは なさそうですね…


明け方前の暗い中に行くので、いよいよ先日レビューしましたLEDヘッドライトの出番で ございます。

夜明け前の雪山突入
●夜明け前の雪山突入●

雪という悪条件の上に、暗い中 進むと いう…

だからこそ日中に下見がてら挑戦していたんですが…


おそらく、前日までの挑戦では序盤すら突破していなかったと思うんですけども…

果たして…

足跡がある
●足跡がある●

日中は こんな足跡 無かった気が するんだけど…

しかも、明らかに人のじゃねえな…


イノシシなのか?もしかして…

熊よけの鈴
●熊よけの鈴●

そのために この鈴も用意したのです。実はココ、熊も出るそうなので…


ただ熊は冬眠していると しても、イノシシって どうなんだろう…?


ある程度 深い所まで来たところでガサガサと音が近づいて来たので、ヤベーかな とか思ったりしたんですが…

頼れるのは先人の足跡
●頼れるのは先人の足跡●

…遭遇したのは人間だったので、ひと安心です…


て いうか今回 初めて別の登山者と出会いましたね…そう思うと これは行けるな、と確信に繋がりました。


一応あらかじめ持参してきた地図と、先人の足跡を頼りに着実に進んで行きます。


ちなみに さっきの足跡は後々調べてみた所、どうやらウサギさんの足跡っぽいです。なんだ、それなら むしろ お会いしてみたかったですね…

中間地点の看板
●中間地点の看板●

コレが あると いうことは、どうやら僕は ちゃんと目的地に向かっているようです。


そして、ここでも また別の登山者と幾人か お会いしまして…やっぱり登る人は登るんですねぇ…

あと約50メートル
●あと約50メートル●

このあたりまで来る頃には登り始めてから2時間弱くらい経ってまして、だんだん明るくなってきました。

雪で もはや どこが どう道なのか わかんなくて どう行けば正解なんだ?みたいな場面も ちょくちょく あったんですが、地図と照らし合わせて じっくり確認しながら なんとか進んで ですね…


ちなみに上記の写真の場所なんかは、まず右側から木の根元の もっこり している所に登り その先に ある道を進むのが正解です。くれぐれも左側からは登ろうと するな、と地図の説明書には書いてあります。

天空の城 展望スポットに到着

こうして ついに念願の、展望スポットに到着いたしました。

いやぁ…やっぱ やって やれないことは ないなぁ、と いうことで ですね…


さぁ、早速 越前大野城の様子を…



展望スポット
●展望スポット●

………


…見事なるホワイトアウトでした。


すでに何人か、同じように天空の城の風景を構えて待機している人も おりまして…


すでに待機してた人
すでに待機してた人
まぁ、こんなもんだよ。

…今日は20%くらいやな。多分ダメだろうね。

…とのことだ そうです。

まぁもともと見れればラッキーくらいの確率だと いうのは、わかっては いたんですけどね…。

かんじきを結び直した
●かんじきを結び直した●

周りの人のを見て、どうやら僕の結び方は甘かったと いうか間違っていたことに気が付きました。

どうりで ちょいちょい脱げて使えねぇなぁ、と思ったり…使えないのは僕のほう だったんですね…



…僕は今回の この計画、ここまで行けるか どうか正直 不透明でした。

ご時世的な事も あり周りには ほとんど話してませんが、話したら もしかしたら無謀と言ってくる人も いたかも しれません。


しかし実際には そんな心配をよそに慣れている人達は平然とした様子で、


慣れてる人
慣れてる人
車中泊で、「あっ宝んど」(近くのスーパー銭湯)で くつろぎながら天候をチェックして、いけそうだ!と思ったら すぐ登って…

この前とかは夜の雲海とかも見れたよ、うん。

今回は この場所に かれこれ12時間くらい待機してるかなぁ…さすがに眠いわ、ハハハハハ。


…しかも大体みんな、オジサン以上アラウンド・シニアぐらいの方々です。

世の中には、自分の想像なんか ちっぽけなモノだと思ってしまうくらいの強者が たくさん いると いうことで…


全然 無謀でも何でも なかったように感じますね、そう考えると…

ずっと こんな感じ
●ずっと こんな感じ●

粘って待ち続けてみたけど、やはり この日はダメなようです…


しかたないけど、あきらめて帰ることにしました。そういえばチェックアウト時間も考慮しなきゃいけないし…


他の上級者の方々も引き返して行くんですが さすが みんな速いんですよね、雪山を降りる その足が…


僕は無理せず、ゆっくりじっくり降りました。

違うルートを発見?

…ところで、僕は帰り道も同じ道を辿っていったつもり なんですが何故か違う下山口に出てしまって一瞬 焦りました。


当時 夢中だったので写真は撮り忘れたんですが…調べてみたところ、おそらく そこは「洪泉寺」と いう お寺だったのでは なかろうかと…


●洪泉寺の場所●

どうも元々は この お寺から登るのが正規ルートだったものが、近年 整備し直して「鍬掛の道」に公式変更された との事らしいん ですけれども…

…もしかしたら、こっちのほうが早いんじゃないか?と思いました。登り降りで違いが あるとは いえ、登りが2時間以上かかったのが下りは このルートだと40分程で山を降りられたので…


地図から察するに、なんとなく200メートルくらい西側にショートカット出来てる ふうにも感じます。

まぁもしかしたら、雪の中で本来 道じゃない道を強引に行ってしまった結果だと いう可能性も否めなくも ないんですが…


難点は、こちらだと あのフリーの登山用の杖が用意されていないと いうこと。

って いうか当時の僕としては逆に この借りた杖どーすんだよ!?と いう事態に なりまして…


しかたなく、また雪道に突入して20分以上かけて 元の所に返しに行ってまいりました…


と いうわけで

今回の これは もはや…冒険ですね、観光じゃなくて…


しかし、僕のような ぬるま湯っ子でも やってやれないことは なかったので…ここまでに記した装備や準備などを すれば、十分にチャレンジできるものと思われます。


あとは慎重に じっくり…具合と場面によっては引き返す判断を自分で することも必要に なってきますね…


もし深みにハマりすぎて にっちにも さっちにも いかなくなってしまったら、個人的に独自の緊急事態宣言を しなくては いけなく なりますので…

そして帰路へ
●そして帰路へ●

…てなわけで、この ご時世にも関わらず突発で思いついて実行してしまった冬の福井は越前大野の紀行なんですけども…


本来の目的は残念ながら惨敗だったものの、なにか得るものは大きかったような気が します。

行ってみて、行けて、行って よかったなぁと…達成感を大いに感じることが できました。


2021年現在、いろんな意見があるであろう ご時世では ありますけども…なんていうか…


情熱に夢中に行動している人は無敵なんじゃなかろうか、と…


僕の考えよりも さらなる強者が いるのを目の当たりにして、余計に そう思いました…



…しかし ともあれ百歩譲って雲海は とにかく せめてフツーに見たかったっていう心残りは ありますね、越前大野城…ホワイトアウトは さすがに残念すぎますので…


今後、リベンジ案件として再挑戦するかも…しれません。



おわり

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Comment 4

There are no comments yet.

aozoratenki

あれまぁ~煙に囲まれたお城が見える 攻城戦なのね(/・ω・)/

越前と言えば羽柴秀吉が越前ノ守を名乗っていたような~その秀吉が越前小谷城の主・柴田勝家殿を無念の自害に追い込むとは・・どさくさ紛れに主家たる織田家・三男信孝殿を死に追いやるし どんだけ秀吉 腐っとるんじゃ成り上がり者めが・・・という話ではなかったのですね~

「かんじき」「夏目漱石」懐かしゅう御座いました。是非 再挑戦してください。それにしても雪の行軍は辛いですよね(/・ω・)/

  • 2021/03/04 (Thu) 03:23
  • REPLY

名の無き客人

お疲れ様です。毎回楽しみに拝見しています。
すごいですね、越前の冬景色。南国に住む自分には想像もできません。
夏に同じコースをたどれば、また違った感慨を覚えるかもしれませんね。

  • 2021/03/04 (Thu) 11:08
  • REPLY

Mr.よっしい

Re: あれまぁ~煙に囲まれたお城が見える 攻城戦なのね(/・ω・)/

aozoratenkiさんへ

そうですね…ただ単に、来たからには引き下がれなかったという話でした。長々と書きましたけど…

かんじきも結構な値段で買ったからには、リベンジも含めて またいつか何かしら雪遊びを企もうとは思っております。一度やれば やはり経験値は付くので次回の僕は今回よりも賢くなってるはずです、多分。

Mr.よっしい

Mr.よっしい

Re: タイトルなし

名の無き客人さんへ

お疲れ様です。ご閲読いただき、どうも ありがとうございます。

僕も雪国は見慣れていないので、雪山の大変さは想像以上のモノでした…汗かくんですよね、これが…

雲海や銀世界は秋冬だけですが、夏に行って単純に眺めを眺めるのも絶景だと思われますね。少なくともホワイトアウトよりはマシなはずです…せめて普通には見てみたかったですね…

Mr.よっしい