島根・鳥取を走る山陰特急の愉快痛快な速さをレビュー

今回の切符
●今回の切符●

島根や鳥取と いった いわゆる山陰地方は、こう言っては なんですが比較的 地味なイメージだと思われます。


鉄道に おいても日本における大本筋たる新幹線の縦断するルートが広島等の山陽方面のほうなので、山陰のほうの鉄道は波に取り残されたかのような地味な印象が あるかもしれません…


…しかしながら新幹線が無いなら無いで在来線が奮闘を見せており、このエリアだからこその個性的な面白さも感じられるわけで ございまして…


…そんなわけで ですね、今回は島根や鳥取を旅行した際に利用した このエリアを走る特急列車を取り上げる特集レビューみたいなのを お送りしようじゃないかと。


“鉄”分多めの記事では ありますが、一応 一般的な旅行情報としても耐えうるように心掛けて書いてみたいと思います。



松江-安来間を特急「やくも」で

松江城を堪能
●松江城を堪能●

まず「松江」から「安来(やすぎ)」と いう所へ向かうのに、「やくも」と いう特急を利用します。
特急「やくも」
●特急「やくも」●

車両は国鉄時代の いわゆるエル特急的な車両。381系と いう車両です。

かつては日本中で見られた このカタチの特急ですが、現在では実は この「やくも」が最後の砦だそうで…“鉄”的には早速 見逃せない存在ですね。
「ゆったり やくも」
●「ゆったり やくも」●

…とは言え いくらか時代に合わせたリノベーションが されており、「現代車両の水準に合わせましたよ」みたいな事で「ゆったり やくも」という改修愛称が付けられているようです。

行き先表示器もデジタルに換装済み。

でも先頭部の「やくも」の表示はアナログ エル特急表示のままなのが、むしろ なんか「わかってる」感が見受けられますね。
車内
●車内●

ちょっと専門的な事を言うと、この車両は「振子式」という構造に なっているようで…


例えばバイクで峠のカーブを攻める際に、自分の体ごと倒して曲がるじゃないですか。

アレです。アレと同じ要領だと思ってもらえれば…
車窓の景色
●車窓の景色●

さすが特急車両。びゅんびゅん飛ばして速いです。


山陰地方の鉄道が目下敵視しないと いけないのは先に述べた新幹線うんぬんでは なく、高速道路を使った自家用車や高速バスのほう らしいです。

それに対抗するために島根県や鳥取県が総力を あげて鉄道のTHE・高速化を目指したようでして…


ここらへんの路線は山間を縫ったカーブも多く、振子構造等の巧みな工夫が必要だったと いうわけ なんですね。

普通の車両には ない特殊構造なので、だからこそ今でも この車両が生き残っているのかもしれません。
とは いえ随所に古さも
●とは いえ随所に古さも●

…ただ40年くらい使われているので、数年後には さすがに新型車両を導入するそうで…そう考えると、このタイミングで乗れて よかったと思います。
無骨な各停 気動車
●無骨な各停 気動車●

ちなみに、この区間は特急以外には このようなディーゼル気動車が各駅停車用として走っています。キハ40系と いう車両ですね。

実は松江から安来くらいの距離だったら各駅停車で充分っちゃ充分だったんですが…一応 所要時間的には10分程の差があり、スケジュール上の都合と あとは ただ ただ「やくも」に乗ってみたい…と いう単純な理由で わざわざ特急に乗って行った次第で ございます。

安来-鳥取間を特急「スーパーまつかぜ」で

足立美術館を堪能
●足立美術館を堪能●

今度は「安来」から「鳥取」へ、「スーパーまつかぜ」と いう特急に乗って行きます。
特急「スーパーまつかぜ」
●特急「スーパーまつかぜ」●

特急…だよな?コレ…


…おそらく、大抵の人が率直に そう感じてしまうと思います、このキハ187系と いう車両…お世辞にも“カッコいい憧れの特急”とは言い難いフォルムです…


…しかも2両しか ないです。どんだけ!
車内
●車内●

…しかしながら実は この車両、こう見えて なかなかのポテンシャルを持っているそうで…


先ほども述べました島根・鳥取の鉄道のTHE・高速化計画…

この車両も、その流れを汲んでいると いうことで ですね…

速ぇ
●速ぇ●

笑っちゃうほど速いです。なんだコレ。


先頭に近い席に座ると結構 展望も良くて、面白いほどに かっ飛ばす様子を楽しめます。


そして、垣間 見れる運転席のスピードメーターをご覧ください。
何気に120キロ出てる
●何気に120キロ出てる●

なるほど…

伊達に「スーパーまつかぜ」を名乗っちゃいねえと…


しかも この車両、気動車です。燃料で走っています。

鳥取方面は実は未だに架線が無いので、気動電車で頑張っているわけですね。


想像してみてください…

あの見た目のやつが…

架線とかも無く…

たった2両編成ぽっちで…

時速120キロで線路を滑走していく…


…なんていうか、痛快な走行シーンが想像できて面白いです。
カーブも攻める
●カーブも攻める●

さらに この車両も振子式機構を持っており、カーブを高速で攻めることが可能。

とにかく、走行性能をゴリゴリに極めた気動車と いうわけですね…


…しかし、下半身にコストを掛け過ぎてしまった その代償でルックスを おめかしする予算が残せなかった という半分 冗談のようで割と実話な経緯が あるようでして…


なるほど…


…見た目よりも、走りにストイックなアスリートだと…そんな感じ でしょうかね、この車両は…

鳥取駅を観察

鳥取駅のホーム
●鳥取駅のホーム●

ここで、ちょっと鳥取駅の様子を見てみようと思います。


先程もチラっと言いましたが、鳥取は未だに架線が張られておりません。

しかし県庁所在地たる鳥取の中心地と いうことも あってかホームが高架化されており、都市だと いうことを伺わせます。
鳥取駅の改札口
●鳥取駅の改札口●

東日本には「ルミネ」と いう駅ビルが ありますが、それを意識して「シャミネ」なんでしょうかね?松江駅にも ありました。

とにかく そんな感じで駅ビルも併設されていて都市の様相で ありながら、改札のほうは自動改札機じゃないと いう…


都市とローカルの融合度合いが なんだか絶妙です。

名探偵コナンイラスト列車
●名探偵コナンイラスト列車●

鳥取出身の青山剛昌先生に ちなんで運行されている特別仕様列車。

真実は いつも ひとつですが、列車は このピンク以外にも別タイプが もう ひとつ あるそうです。
キハ121系
●キハ121系●

こちらはラッピングされていない姿。

重厚無骨な各停用に対してコチラは快速用のようで、ちょっと速いんでしょうかね。


電化されずに取り残されたかの ような鳥取ですが、架線が無くとも速さを重視した車両が多く用意されている あたりが面白いところです。

それに逆に考えてみれば、架線が ある場所でも両方走れますしね、気動車って…燃費は かかるけど自由度は高いかもしれません。


…そんな事を、鳥取駅を見て思いました。

鳥取-姫路間を特急「スーパーはくと」で

鳥取砂丘を堪能
●鳥取砂丘を堪能●

最後は「鳥取」から「姫路」まで、特急「スーパーはくと」に乗って行くことに します。
特急「スーパーはくと」
●特急「スーパーはくと」●

架線の無い鳥取に乗り入れているので当然この車両も燃料気動車なんですが、先程の「スーパーまつかぜ」とは違い ちゃんと流線形マスクで特急として然るべきルックスに なってますね。


HOT7000系という車両で、実はJRの所属ではなく「智頭(ちず)急行」という鉄道会社の車両です。

鳥取から姫路までの間、その智頭急行線の区間を走るわけなんですね。
車内
●車内●

車端部に座ってみました。

ちなみに写ってませんが右側の座席の壁には走行の展望が映し出されている液晶モニターが設置されていて、走行の景色を楽しむことが できるように なっているみたいです。

どうせなら こっち側にも設置してほしかったですね…
足元
●足元●

フットレストが何気に付いています。

それと、コンセントも ありますね…Wi-Fiも あるらしいので、最近の然るべき水準を満たしていると いうことでしょうかね。
やっぱり速い
●やっぱり速い●

この車両も また振子式機構なども搭載しており、ゴリゴリに速いです。これは もう山陰の特急の絶対スペックなんですかね…


また、智頭急行という会社自体が鳥取と京阪神を高速で結ぶ この「スーパーはくと」の存在意義そのもの と言っても過言では ないようで…


実際これだけで かなりの収益を上げているようです。

鳥取駅においても「スーパーはくと」の存在感は かなり大きいモノと思われます。

そんなワケで、総評

姫路城を堪能
●姫路城を堪能●

今回、いずれも自由席に乗車しました。

座れないと いうことは なかったですが、時期にも よるんでしょうけど それなりに需要度は高そうです。本数も それなりに ありますし…


…総括すると地味な印象とは裏腹に、なんていうか…面白く速いです。

新幹線一辺倒じゃないことで、しかも鳥取らへん なんかは電化すらも されていない事により むしろ面白いオリジナリティが残ってるエリアと言えるのかも しれません。ただの移動手段と してじゃなく、色々乗れて痛快な走行感を味わえる楽しみが あるかと…


…と いうわけで島根・鳥取らへんの鉄道、結構 面白いと思うので ご旅行の際に是非とも鉄道利用も お考え頂ければ いいのでは ないかと思います、ハイ。
関連記事
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキング

Comment 0

There are no comments yet.